衝撃のニュース
2018.12.04
総合政策学部准教授 大野朝子
「特別講座Ⅳ?ジェンダー論」を担当するようになり、今年で4年目になる。男女共同参画について考える科目として、初めは主にフェミニズムやリプロダクティブ?ヘルス(性と生殖に関する健康?権利)といったジェンダー論の「王道」の内容を紹介していたが、受講生の多くが男子学生であるため、ジェンダー研究を身近に感じてもらうべく、現在は主に家族をめぐる社会問題(DVや虐待、ハラスメント、少子高齢化など)に焦点を当てている。最新情報に基づいた内容にするため、講義期間は毎日目を皿のようにして関連ニュースをチェックしている。
もうすぐ2018年も終わろうとしているが、一年を振り返ると、今までで一番ショックだったニュースは、3月に報道された目黒区の児童虐待事件である。人生を変えるような体験、というと大げさだが、5歳の女の子?船戸優愛ちゃんがひらがなで書いた作文を目にしたときは、まさに涙があふれてきて仕方がなかった。どうしてこんな悲惨な出来事が起きてしまうのか???誰もがそう思ったに違いない。このような事件は、残念ながら、今後も次々報道される可能性が高い。
とても他人ごととは思えない、自分にも何か出来ることがあるかもしれない???そう考えて、ネットで検索したところ、仙台で虐待防止の取組みを1999年から続けている団体「キャプネットみやぎ」に辿りついた。その後、キャプネットさんの主催する講演会や、講座に何度か参加させていただいた。「愛着障害」「マルトリートメント」「揺さぶられ症候群」「世代間連鎖」などのキーワードとともに事例が紹介され、どれも未知のものだったので、驚きを隠せなかった。子ども、そして子育て中の親をめぐる環境の悪化を知る貴重な機会で、勉強すればするほど、問題の深刻さが痛感された。さらに、子どもをめぐる問題と、テレビや新聞で報道される様々な事件(の裏側の部分)との関係が、だんだん点と点が一本の線につながるように、少しずつ目の前に浮かんで見えてきた。自分自身も、日ごろ様々な学生たちと接していて、デリケートな悩みを相談されることもあり、とても無関心ではいられなくなった。
貴重な講演を聴かせていただいて、現時点において自分が虐待防止のために出来ることは、講義を通して学生たちに「予防教育」をすることだと実感した(具体的な啓発活動、相談等も折をみて取組んでみたい)。ゼミ生の中には、「特別講座」の受講後、子どもをめぐる環境や、いじめ、自殺問題、性的マイノリティーについて研究している学生もいるので、心強く感じている。「特別講座」では、毎回学生にコメントペーパーを提出させているが、学生が自分自身の苦い体験をつづってくれることも多く、さまざまな家庭環境があることにその都度驚かされる(提出の際、個人情報は絶対に漏らさないことを約束している)。彼らが講師の私に心を許して貴重な情報を寄せてくれたことに感謝している。厳しい環境で育った者もいるので、学生たちと接する際は、配慮が必要だということを改めて実感した。自分自身も、学部生、大学院生時代は、奨学金を借り、複数のアルバイトを同時にこなして、やっとの思いで学業を続けてきた苦い経験がある。学生たちが落ち着いた環境で安心して勉学に励めるように、そして、彼らが何か問題の壁に突き当たったときに、相談相手になれるように、今後も研鑽を積んでいきたい。
とても他人ごととは思えない、自分にも何か出来ることがあるかもしれない???そう考えて、ネットで検索したところ、仙台で虐待防止の取組みを1999年から続けている団体「キャプネットみやぎ」に辿りついた。その後、キャプネットさんの主催する講演会や、講座に何度か参加させていただいた。「愛着障害」「マルトリートメント」「揺さぶられ症候群」「世代間連鎖」などのキーワードとともに事例が紹介され、どれも未知のものだったので、驚きを隠せなかった。子ども、そして子育て中の親をめぐる環境の悪化を知る貴重な機会で、勉強すればするほど、問題の深刻さが痛感された。さらに、子どもをめぐる問題と、テレビや新聞で報道される様々な事件(の裏側の部分)との関係が、だんだん点と点が一本の線につながるように、少しずつ目の前に浮かんで見えてきた。自分自身も、日ごろ様々な学生たちと接していて、デリケートな悩みを相談されることもあり、とても無関心ではいられなくなった。
貴重な講演を聴かせていただいて、現時点において自分が虐待防止のために出来ることは、講義を通して学生たちに「予防教育」をすることだと実感した(具体的な啓発活動、相談等も折をみて取組んでみたい)。ゼミ生の中には、「特別講座」の受講後、子どもをめぐる環境や、いじめ、自殺問題、性的マイノリティーについて研究している学生もいるので、心強く感じている。「特別講座」では、毎回学生にコメントペーパーを提出させているが、学生が自分自身の苦い体験をつづってくれることも多く、さまざまな家庭環境があることにその都度驚かされる(提出の際、個人情報は絶対に漏らさないことを約束している)。彼らが講師の私に心を許して貴重な情報を寄せてくれたことに感謝している。厳しい環境で育った者もいるので、学生たちと接する際は、配慮が必要だということを改めて実感した。自分自身も、学部生、大学院生時代は、奨学金を借り、複数のアルバイトを同時にこなして、やっとの思いで学業を続けてきた苦い経験がある。学生たちが落ち着いた環境で安心して勉学に励めるように、そして、彼らが何か問題の壁に突き当たったときに、相談相手になれるように、今後も研鑽を積んでいきたい。